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■編集部よりお願い
1、文字は楷書で分かり易く、はっきりと書いてください。年の花集に、よく判読し兼ねる場合がありますので。
なお年の花集の投句は、ハガキ一通を原則とします。
2、句会報に掲載されるのは一人一句と決まっています。二句以上書かないでください。なお、句の下の作者名が洩れていることがありますので、御確認ください。
3、「年の花」誌の御購読拡大を推進中です。投句者のお一人一誌の御購読と、その御吹聴をぜひお願いいたします。
誌代等につきましては、「年の花」の裏表紙を御覧ください。

俳趣俳情?@

猫も食わぬ?
山下一海
(社)俳人協会
芭蕉の高弟嵐雪の妻は、一匹の猫を産し、美しい布団を敷かせて、朝夕ひざもとを離さなかった。嵐雪は常々、獣を愛するにもほどがある、とほやいていた。ある日、妻は実家へ行かねばならぬことがあり、猫をつないででかけた。
嵐雪はこれを機会に猫を飼うことをやめさせようと、かねて約束していたところに、猫を連れて行ってもらった。帰ってきて猫がいなくなっているのに驚いた妻に、嵐雪はあまりお前を慕うので綱をはずしてやったのだよ、といった。
妻は泣き叫んで寝込んでしまい、涙をしぼってこんな句を作った。
猫の妻いかなる君のうばひ行く 妻
ところが、きのどくに思った隣の主婦がひそかに事実を教えたので、さてはあたしをだましたのね、と妻は夫にいどみかかり、夫は、異常な猫っかわいがりようを改めなければ、猫を取り戻すことはまかりならぬ、とゆずらず、たいへんな喧嘩になった。そこで隣家や門人がとりなして、いちおう妻が詫びを入れた形で猫を連れもどし、一件落着した。
むつきはじめの夫婦いさかひを人々に笑はれて、
よろこぶを見よや初音の玉ははき 嵐雪
闌更の『誹諧世説』に伝える話である。

 

 

 

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